2025年12月1日、年末の風物詩である「新語・流行語大賞」が発表されましたが、その年間大賞の結果に驚き、あるいは少し複雑な気持ちになった方も多いのではないでしょうか。
年間大賞に選ばれたのは、高市早苗首相による「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」でした。
「働き方改革」や「ワークライフバランス」が叫ばれる令和の時代において、なぜあえて「働いて」を5回も連呼する言葉が大賞に選ばれたのか?そこには、単なる精神論ではない、日本初の女性首相としての並々ならぬ覚悟と、現代社会が抱える矛盾への強烈なアンチテーゼが隠されていました。
この記事では、受賞の背景にある経緯や、真っ二つに分かれた世間の反応、そしてその他のトップ10用語についても詳しく解説していきます。
この記事のポイント
- 2025年の年間大賞は高市首相の「働いて働いて…」と「女性首相」の合わせ技。
- 発言の元ネタは2025年10月の自民党総裁選選出時の演説。
- 「時代逆行」との批判と「覚悟への共感」で世論は賛否両論。
- 選考委は「気合の入った物言い」と「インパクト」を高く評価。
流行語大賞2025「働いて働いて」が選ばれた本当の理由と背景
2025年12月1日、東京都内で「現代用語の基礎知識選 2025T&D保険グループ新語・流行語大賞」の表彰式が行われました。数あるノミネート語の中から年間大賞の栄冠に輝いたのは、同年10月に就任したばかりの高市早苗首相にまつわる言葉でした。
受賞ワードは正確には「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」です。
これは、純粋な政治用語としては2017年の「忖度(そんたく)」以来、実に8年ぶりの快挙(?)となります。選考委員会は、この言葉を選出した理由について、「ここのところとんと聞かなくなった気合の入った物言いに、働き方改革推進に取り組む経済界はド肝を抜かれた」とコメントしています。
近年、効率化や時短、タイパ(タイムパフォーマンス)が重視される中で、あえて泥臭い「労働」を強調したこの言葉は、良くも悪くも2025年の日本社会に最も強いインパクトを残したと言えるでしょう。
「働いて」を5回連呼した自民党総裁選での演説
この言葉が生まれたのは、2025年10月に実施された自民党総裁選でのことです。激戦を制し、第29代自民党総裁に選出された直後の挨拶で、高市氏は会場の議員や国民に向かってこう宣言しました。
「もう全員に馬車馬のように働いていただきます。私自身もワークライフバランスという言葉を捨てます。働いて働いて働いて働いて働いてまいります」
この時、高市氏は「働いて」を明確に5回繰り返しました。単に「一生懸命働きます」と言うのではなく、リズミカルかつ執拗なまでに「働いて」を重ね、最後に「シャウト」するかのような熱量で語った姿は、ニュース映像を通じて瞬く間に拡散されました。
この発言は、日本初の女性総裁、そして女性首相誕生という歴史的転換点における、彼女なりの「不退転の決意表明」だったのです。
発言直後から巻き起こった「時代逆行」批判
しかし、この発言は即座に大きな波紋を呼びました。特にSNSや若年層を中心に、以下のような批判的な意見が噴出したのです。
- 「今の時代に『馬車馬のように』なんて表現はブラック企業そのものだ」
- 「ワークライフバランスを捨てると公言するのは、国の方針と矛盾しているのではないか」
- 「トップが根性論では、下の人間は休めなくなる」
政府が長年旗振り役となって進めてきた「働き方改革」の流れに、首相自らが逆行するかのような発言に対し、不安や怒りを感じた層も少なくありませんでした。多様性や個人の生活を尊重する現代の価値観において、この発言はあまりにも「昭和的」で「強権的」に響いた側面は否めません。
昭和世代からの共感と「高市流シン・ワークライフバランス」
一方で、この発言に対して「胸が熱くなった」「頼もしい」と感じた層が一定数いたことも事実です。
選考委員会の講評にもあるように、「仕事ってそういうものだったな」と再認識した昭和世代や、停滞する日本経済を立て直すにはこれくらいの強烈なリーダーシップが必要だと考える保守層からは、強い支持が集まりました。
また、単なる根性論として切り捨てるのではなく、選考委員会はこれを「高市流『シン・ワークライフバランス』」と解釈しています。「働いて働いて…働きながらも、人を活かし自分を伸ばす」という、仕事への没頭が結果として国や個人の幸福につながるという、新しい(あるいは原点回帰的な)仕事観の提示として評価されたのです。
2025年トップ10に見る日本社会の縮図
今回の流行語大賞では、年間大賞以外にも2025年を象徴する言葉がトップ10入りしています。これらの言葉を並べてみると、今の日本が抱える課題や関心事が浮き彫りになってきます。
受賞語一覧と解説
以下に、2025年のトップ10受賞語とその背景をまとめました。
| 受賞区分 | 受賞語 | 解説・背景 |
| 年間大賞 | 働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相 | 高市首相の就任時の名言。労働観への問いかけ。 |
| トップ10 | エッホエッホ | (詳細不明だが、身体的な動きや労働、あるいはキャラクターに関連する擬音として流行か) |
| トップ10 | オールドメディア | SNSやネットメディアに対する、テレビ・新聞等の既存メディアを指す言葉。選挙戦での対比で頻出した。 |
| トップ10 | 緊急銃猟/クマ被害 | 全国で多発したクマによる人的被害と、それに対する猟友会の活動や法改正議論。 |
| トップ10 | 国宝(観た) | 大規模な国宝展や、特定の国宝公開がブームとなったことを示唆。 |
| トップ10 | 古古古米 | 米不足や備蓄米の放出に関連し、古い米の流通や品質が話題になった可能性。 |
| トップ10 | 戦後80年/昭和100年 | 2025年は戦後80年であり、昭和に換算すると100年目という節目の年。 |
| トップ10 | トランプ関税 | 米国政治の影響。トランプ氏の政策による経済への懸念。 |
| トップ10 | 二季 | 温暖化により「春と秋」が極端に短くなり、夏と冬しかない日本の気候を表現。 |
| トップ10 | ミャクミャク | 大阪・関西万博の公式キャラクター。万博開催に伴い露出が増加。 |
「オールドメディア」と「二季」が示す時代の変化
トップ10の中で特に注目すべきは「オールドメディア」と「二季」でしょう。
「オールドメディア」という言葉のランクインは、情報の取得源が完全にインターネットやSNSにシフトしたことを決定づけるものです。特に政治的な局面において、既存メディアの報道姿勢とネット世論の乖離が顕著になった一年でした。
また、「二季」は私たちの生活実感そのものです。2025年も猛暑が続き、秋を感じる間もなく冬が訪れるという気候変動を、多くの国民が肌で感じました。「四季の国・日本」というアイデンティティさえも揺らぎつつある現状が、この言葉に凝縮されています。
高市首相の「モーレツ」エピソードと実務能力
年間大賞を受賞した高市首相ですが、その「働いて」発言が決して口先だけではないことを裏付けるエピソードが、就任直後から次々と報道されています。
午前3時の公邸入りとファクスの紙詰まり
報道によると、高市首相の働きぶりはまさに「24時間戦えますか」を地で行くスタイルだといいます。
就任早々、「午前3時の公邸入り」が報じられ、永田町を震撼させました。深夜まで執務を行い、未明に帰宅(あるいは出勤)するというスタイルは、周囲の官僚やスタッフにとっては過酷そのものですが、本人の「馬車馬のように」という宣言に嘘がないことを証明しています。
また、いまだに議員宿舎や事務所ではファクスが現役でフル稼働しており、大量の資料送受信によって「ファクスの紙詰まり」が発生したという、どこか昭和的でアナログなハプニングも報道されました。最先端の技術立国を目指しつつも、実務の現場では泥臭い確認作業を徹底する姿勢が垣間見えます。
「実はスタイルええよな」意外な注目点
政治的な発言や政策論争の一方で、ネット上では高市首相のビジュアルに関する話題も盛り上がりを見せました。
授賞式の記事にもあるように、スーツ姿で颯爽と歩く様子に対し、「実はスタイルええよな」「姿勢が良い」といった感想がSNSで散見されました。硬派な政治信条と、洗練されたファッションや立ち居振る舞いのギャップも、彼女が「女性首相」として注目を集め続ける要因の一つとなっています。
今後の日本はどうなる?「高市流」への期待と不安
流行語大賞の受賞は、あくまでその年の「話題の量」を反映したものであり、必ずしも全員がその内容を肯定しているわけではありません。
外交・内政の課題は山積み
「働いて働いて」と宣言したものの、2025年の日本を取り巻く環境は極めて厳しいものがあります。
- トランプ関税に代表される不安定な国際経済情勢
- 戦後80年・昭和100年を迎えた歴史的総括と未来への展望
- クマ被害や気候変動(二季化)などの環境問題
これらは、単に長時間労働をするだけでは解決できない複雑な課題ばかりです。国民が求めているのは、首相の労働時間そのものではなく、その「働き」が生み出す具体的な成果です。
「働き方改革」との整合性は取れるのか
最も懸念されるのは、やはり労働環境へのメッセージ性です。首相が「ワークライフバランスを捨てる」と言い切ることで、企業現場において「経営者も頑張っているんだから、社員も休まず働け」という圧力が強まることを危惧する声は消えません。
しかし、選考委員会の見解にあるように、これを「人を活かし自分を伸ばす」ための前向きなエネルギーとして昇華できるかが、高市政権の、そしてこれからの日本社会の分水嶺となるでしょう。
まとめ:流行語大賞2025「働いて働いて」が日本社会に投げかけた問い
2025年の流行語大賞は、日本初の女性首相による強烈な「労働宣言」が制しました。それは、緩やかな衰退を受け入れるのか、それとも歯を食いしばって再浮上を目指すのか、日本国民全員に突きつけられた問いかけのようにも響きます。
まとめポイント
- 年間大賞は高市首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」。
- 発言の意図は、総裁選での不退転の決意と覚悟の表明。
- 「ワークライフバランス」に逆行するとの批判と、リーダーシップへの期待が交錯。
- 同時受賞の「オールドメディア」「二季」などは、社会構造や環境の激変を示唆。
- 午前3時の公邸入りなど、有言実行の「モーレツ」な働きぶりも話題に。
- この言葉が単なる精神論で終わるか、日本の再建につながるかは今後の成果次第。
「働いて働いて」の先にある未来が、過労で疲弊する社会ではなく、活気に満ちた強靭な日本であることを願わずにはいられません。


